インターネット回線のスピードとは | 快適な通信速度や測定方法まで紹介

インターネット回線のスピードとは | 快適な通信速度や測定方法まで紹介

「自分が使っているパソコンは、どれだけのスピードで回線がつながるだろう」と気になっていませんか。ネットの使用機会が増えた現代社会では、通信速度が快適性のカギになります。

自身のパソコンやスマートフォン、インターネット環境を確かめるためにも、定期的にネット回線用のスピード測定を利用しましょう。「遅い」と不満に思ったら、原因に応じた対処も重要です。

今回は通信速度を上げたい人のために、スピードのしくみや測定方法をまとめました。遅いときの対応についても書いています。また新世代の通信技術である5G導入で生活がより快適になる可能性についても検証しました。

この記事を読めば通信速度の現代社会における重要性を認識し、快適なネット生活のヒントをつかめるでしょう。

インターネット回線のスピードとは?

インターネット回線のスピードとは、1秒間にどれだけ多くのアクセスに対応できるかにかかっています。速ければメリットを感じられますが、遅ければデメリットを受けやすいことに注意です。回線スピードを知るうえで「上り」「下り」や独特の単位なども学びましょう。

1秒間にアクセスを処理できる能力は、インターネットのステータスです。特定のリンクを押して次の画面に行くまでの時間が短ければ、通信速度が速いといえます。画面の移動を通し、見たい情報をすぐに見られるのがネットの魅力なので、回線スピードは重要です。

スピードが速いと、アクセスが簡単です。目当てのサイトや記事に短時間でたどり着けると快適でしょう。動画もテレビのようにスムーズに再生してくれます。途中で画面が止まる場面もなく、純粋にコンテンツを楽しめるのです。

インターネットを快適に見られることは、自身の目当てであるコンテンツに素早くアクセスできることを意味します。パソコンや通信環境が優れていれば、短時間でも多くの情報を集めたり、好きな動画を楽しんだりできるでしょう。

パソコンやスマートフォンの画面移動が遅いと、通信速度が遅い証拠です。思いどおりに画面が動いてくれなかったり、止まったりして不便に感じることもあるでしょう。インターネット事業者には、回線速度の向上が望まれます。

速度が遅いとページの転換が遅くなります。マウスを使って画面を動かしているときもスムーズではなく、飛び飛びになりがちです。動画を見ていても途中で画面が止まることが多いと、「もう使いたくない」とさえ思うかもしれません。

通信環境が整備されていないと、回線の調子も悪くなります。パソコンや周辺機器の劣化が大きかったり、サイバーウイルスに感染したりすることでも、通信速度に悪影響を与えます。以上の事態が起きれば、機器の見直しのような対処が必要でしょう。

パソコンやスマートフォンの回線速度を学ぶにあたっては、「上り」「下り」の概念が重要です。「上り」とはアップロードです。インターネットの上に新しいデータを立ち上げることであり、スピーディにいけば「上りが速い」といえます。

「下り」はダウンロードです。既存のデータを自身のパソコンやスマートフォンに取り入れることを指します。新しく見つけたアプリを素早く取り込み、インストール、初アクセスまで短時間で成功すれば「下りが速い」証拠です。

「上り」「下り」のクオリティも、インターネットにとっては重要なステータスといえます。

回線の種類によってもスピードが違うことに気をつけましょう。たとえば有線タイプの光回線と、無線で使えるWi-Fiでは、光回線の方が有利とされます。しかし有線だとケーブルが必要でかさばりますし、工事の時間がかかることから使い始めが遅くなるでしょう。

一方でWi-Fiは無線なので、環境が整っていて設定が決まればすぐに使えます。能力か利便性のどちらを取るかで選択が分かれるでしょう。

インターネットの回線速度には独自の単位があります。軸となるのは「bps」です。 1秒間におけるデータ伝送能力を意味します。たとえば「1Kbps」なら「1キロビーピーエス」と読み、毎秒1000ビットのデータを動かせるのです。

「1Mbps」なら「1メガビーピーエス」として、1秒間に100万ビットのデータを操ります。Kbpsの100倍なので、通信速度で使われていれば優秀な回線とわかるでしょう。「1Gbps」は毎秒10億ビットで、光回線の最大通信速度を示します。

このようにbpsの単位が大きいほど通信速度が優秀で、サクサクとコンテンツを進めやすいのが決まりです。

インターネットにおける理想の回線スピード

インターネットを使っているときの回線スピードは、プラットフォームや環境によって変わります。ハードウェアならパソコンやスマートフォンでスピードが異なるしくみです。Webサイトや動画などメディアの種類によっても、求められるべき能力が変わります。項目別の詳細を見ましょう。

普通にパソコンでサイトを見ているだけなら、約10Mbps~30Mbpsあればよい方です。この数値は画面が自然に進みやすく、ユーザーがストレスを感じないための基準値といえます。

Webサイトやゲーム、動画などで必要値は変わります。それでもパソコンで10Mbpsあれば、大抵のコンテンツにはアクセスしやすく、詰まりもないでしょう。

多くのユーザーはアクセスやダウンロードによる「下り」が多いため、大抵の操作は10Mbpsで対応できます。パソコンの回線スピードのテストをしていて10Mbpsを上回ればコンディションが優れた証です。

一方でスマートフォンは5Mbps以上あれば健全です。メールやSNS、検索、動画視聴など生活のあらゆる面で使いやすい基準になります。

パソコンの基準値の半分ということで、不安な人もいるでしょう。しかし5Mbpsは通常のインターネット使用においても充分な能力を示すため、格安SIMなどの通信速度の相場でもあるのです。

ただ1~3Mbpsになると、スマートフォンでも能力が低いとされ、読み込みに時間を要します。テストでこの数字が出ることが多いと、回線やプロバイダーを変えた方がよさそうです。

コンテンツの種類によっても理想の通信速度は変わります。Webサイト、メール・LINE、動画、ゲームと見ていきましょう。

Webサイトは下り1Mbps~10Mbpsあればよいといえます。ただしサイトによって画像や動画がふんだんに使われたものもあるので、その場合は3Mbps程度が望ましいでしょう。

テキスト中心で動画がそれほど多くなければ、1Mbpsで充分です。ニュースや生活情報、ネット小説などならこのレベルでもスムーズに読み進められます。1Mbpsあれば、スマートフォンを使っても簡単にアクセスできるので、外出時のちょっとした空き時間に情報を見るときも役立つでしょう。

メールやLINEなに下りのスピードで128kbps~1Mbpsが基準値です。ただし「128kbps」の場合は通信制限がかかっています。画像や動画を交えて相手に送ろうとしたり、そうした内容を受け取ろうとしたりすると、作業完了に時間がかかるでしょう。

スマートフォンの使いすぎによって契約で決まった通信量を超過するケースが多いといえます。速度制限があるとSNSの利用スピードに影響するだけでなく、他のコンテンツにも進みづらくなるでしょう。

動画配信は最低5Mbps~20Mbpsあれば、低画質ならスムーズに見られます。解像度により理想の通信速度が異なることに注意です。

たとえばYouTubeの推奨速度を見ると、SD 360pなら0.7Mbpsになります。しかしきれいな映像にこだわってHD1080pで見ようとすると、5Mbps以上が推奨される状況です。

トップクラスの画質である4Kになると、20Mbpsが必要とされます。通信速度が満足のいくレベルでないと、動画のスタートに時間がかかったり、途中で何度も詰まって不快感になったりするでしょう。

ゲームなら100Mbps以上が望ましいといえます。それを下回ると映像におけるキャラクターの動きが鈍くなったり、次の画面のダウンロードに時間がかかったりして、集中しづらいからです。

オンラインでゲームをしていると、回線スピードが追いつかないためにエラーが起き、途中離脱を余儀なくされるケースもあります。

こうした事態を避けるためにも、事前にテストで速度を調べましょう。速度に応じて理想の画質を決めたり、スムーズにプレイ可能なゲームを判別したりするためです。

またオンラインゲームではping値にも注目です。これはデータの送受信スピードを示しており、値が低いほど応答速度に優れています。ネット回線の通信速度が速くても、ping値が大きすぎるとアクセススピードに影響を与えるのです。

ゲームのカテゴリーによっても、望ましいping値が変わります。たとえばパズルゲームなら50ms以下ならスムーズにできるでしょう。しかしキャラクターの動きが激しい場面が多い格闘ゲームになると、15msを超えると映像の動きが鈍るおそれがあります。

ゲームプレイを意識して速度テストをするときは、回線スビートだけでなくping値も要チェックです。

なおネット契約や商品紹介などのときは、事業者は最大通信速度を示すのが通例です。しかしこれはあくまでもいちばん調子がよいときだけで、「ベストエフォート方式」とも呼ばれます。

ベストエフォート方式で示された数字で、回線が常に動いているわけではありません。多くの場合は最大値の3~6割ぐらいとされます。最大速度を鵜呑みにせず、サービス内容を正確に見ながら契約を判断してください。

インターネット回線スピードをテストできる

インターネットには、パソコンやスマートフォンの回線スピードをテストできるサービスがあります。Googleも受け入れているほか、テストをメインサービスとして提供している機関もあるなど多種多様です。回線スピードテストの意味ややり方、代表的な事業者などをまとめました。

自身のパソコンの能力や、通信環境を調べるうえで、回線速度を調べられるのは便利です。該当するツールで人気があるものは無料なので、気軽に使えます。

測定対象は自宅の回線やスマートフォンなどのネット環境です。事業者は「ベストエフォート方式」として最高速度を明かしますが、測定ツールではその時点における実際のスピードを調べられます。

回線スピードが最近遅いと感じたら、すぐに調べに行ける点もよいでしょう。測定結果とスムーズな使用にふさわしい基準速度を比べられるからです。望ましいレベルよりも遅い結果が出た場合は、すぐに原因の調査や速度アップの工夫などの対応もできます。

測定方法はアクセスするだけでスピードがわかるか、「測定開始」のボタンを押すだけで始められるパターンが主流です。ツールによっては測定結果のSNS共有もできます。

時間がかかるような細かい設定がないこともメリットです。スピードを知りたくなったらすぐに調べてもらえるのが測定ツールの魅力でしょう。

ツールによっては上りと下りに分けて測定を判定するケースもあり、より正確な状況を確かめられます。ワンクリックで利用できるタイプが多いので、この記事をきっかけに自身の通信環境を確かめてみましょう。

おすすめの測定ツールは

  • Google
  • Fast.com
  • USEN GATE 02
  • ブロードバンドスピードテスト
  • SpeedTest Master

の5つです。

とくにGoogleでもスピードテストができるのは便利といえます。「速度 テスト」「スピードテスト」とGoogle検索をかけるだけで利用可能です。結果ページの上部に速度テストが現れます。そこで「速度テストを実行」という青いボタンを押せば結果が分かります。

世界中の人々が利用する検索サイトでスピードテストができるのは印象的です。ネットサーフィンのついでに調べてもらえる手軽さは見逃せません。

Fast.comは、アクセスするだけで回線速度を測定できるツールです。結果はTwitterやFacebookといったSNSでの共有もできます。

SNSでシステム障害が起きていてアクセスが鈍いようなら、速度を調べてみましょう。遅くなっていれば事態を知らせたり、他のユーザーに障害の原因を質問したりできます。一度遅くなったあとで、Fast.comが示す数値が元通りなら、復旧の知らせを共有可能です。

24時間365日多くの人がネットを使っているので、回線速度の情報共有も貴重といえます。 

USEN GATE 02はページに入れば「測定開始」のボタンを押すだけで診断スタートです。数値結果は上りと下りに分かれているほか、細かいステータスとしてPing値やJITTERもチェックできます。

一度のクリックだけで通信環境に関するさまざまな情報をつかめるのです。総合的な回線速度だけがわかるシステムよりも、スピードの出る部分や弱点が伝わってきます。通信環境の詳細な情報が知りたいならUSEN GATE 02がおすすめです。 

ブロードバンドスピードテストは、アクセスしてから「スピードテストを開始する」を押すだけで測定スタートです。こちらも上りや下り、ピン(レイテンシ)といった詳細情報が分かります。

ネット回線が遅いと感じ始めたときは、具体的にどの部分がいけないのかを調べられます。結果とともに環境が良くない原因をつかめれば、正確な対応ができるでしょう。

スマートフォン向けにはSpeedTest Masterがおすすめです。アクセスしてからワンタップですぐに測定できるので、スムーズに通信スピードをチェックできます。

こちらには回線も問題検出機能もあるなど、詳細な機能も使いやすいでしょう。無料版と有料版がありますが、前者でも1日に5回測定可能です。ネット環境にあまり詳しくない初心者でも、一度試す価値があります。

回線スピードが遅いときの対処法

測定結果で通信速度が遅いと分かったら、パソコンやスマートフォンなどに適切な対処をしてあげましょう。周辺機器も含めてトラブルの原因を確かめる必要があります。またブラウザのバージョンは常に新しくしたり、サイバーウイルス感染を防ぐなどの対策も重要です。 

通信速度が遅いときは、パソコンや周辺機器のトラブルを考えてみましょう。たとえば無線LANの接触不良が疑われるときは、ルーターやモデムのコンセントを一旦抜いて差しなおし、再起動することが考えられます。

無線LANが通信速度についていけなかったり、デバイスまで電波が届かなかったりすることによるアクセススピードの遅れにも注意です。こちらは有線への切り替えで解決できるかもしれません。それでもダメなら、無線LANの買い替えや最新機種への交換が選択肢です。

有線LANで回線スピード悪いと、ケーブルの傷みすぎや規格間違いの可能性があるので、新しいものに調達してください。ケーブルはタコ足配線によっても通信が詰まりやすくなるので、結束バンドでコードを束ねるなどの配慮が重要です。

ルーターやモデム、ポケットWi-Fi、中継器といった接続サポート機器の置き場所を変えるだけで、回線速度が変わることもあります。部屋数が多いならメッシュWi-Fiの導入でスピードアップを狙ってみましょう。

インターネットの回線が原因なら、通信障害が起きていないかTwitterで調べましょう。大規模な通信トラブルなら多くのユーザーが気づき、トラブルの内容をツイートするからです。この場合は復旧を待つしかありません。

パソコンやスマートフォン自体の原因で、アクセススピードが落ちることもあります。ハードウェアのバージョンが最新になっていないと、こうした悪影響が出るかもしれません。まだアップデートしていないときは、すぐに済ませる方が賢明です。

またメモリ不足によってもアクセスが鈍ります。空き容量を増やすためのファイル圧縮や、メモリ増強を考えましょう。アクセス履歴やキャッシュの削除だけで通信速度が改善するケースもあります。 

パソコンがサイバーウイルスにやられていると、通信速度に悪影響を与えるだけでなく、会員制サイトのアカウントや個人情報などが脅威にさらされます。他にもデータを破損させられるリスクにも注意です。大切な情報を取り戻せない危険性があります。

ウイルスに関しては、事前にセキュリティ対策ソフトを入れましょう。何かが起きてからでは遅いので、買ってからすぐの導入が望ましいといえます。このように回線スピードを速くする、または遅くさせないために、適切な対応を済ませましょう。

5Gで回線スピードは上がるか?

近年は世界的に5Gが、通信が便利になる要素として注目されています。主に携帯電話に使われる第5世代通信システムで、2020年から実用化が本格的に始まりました。

データ容量が大きく、通信速度に優れているのが特徴です。電波をピンポイントに絞り、決まった方向に集中的に飛ばす「ビームフォーミング」により、回線の能力を引き立てます。

データ通信の遅延が少ないのも特徴です。通信にかかる時間を縮めるために、スマートフォンとサーバーの距離を短くする「エッジコンピューティング」により、リアルタイムでのアクセスを容易にします。

同時接続台数が4Gよりも多くなるなど、通信上のさまざまな問題点を解決できるのがポイントです。以上から世界中の通信を支える新しい手段として注目を受けています。

ただし従来の光回線やWi-Fiがない状態で5Gを使っても、便利とはいいきれません。5Gは対応エリアが限定的で、適合端末もまだ少ない状態です。通信量が一定を超えると速度制限を受けることには変わらないため、使いどころが難しいとされます。

5Gは対応端末やエリアなら、ハイレベルな通信速度を期待できますが、適合する環境でないうちは様子を見た方が賢明でしょう。 

まとめ

インターネットの回線スピードは、快適なネット環境を守るうえで大切です。定期的な速度測定で、環境が悪くないっていないか確かめましょう。ただし、速度テストのサイトにもアクセスが集中したり測定サーバまでの距離が短いという理由で高い速度で判定されることもあります。

複数の測定サイトを使って現在の速度、JITTERの値を調べる事をお勧めします。

近年は5Gの実用化もあり、ネット環境が大きく変わる可能性を秘めています。情報をスムーズに集めたり、コンテンツを快適に楽しんだりするためにも、通信速度を知っておくとよいでしょう。